アトリエグレープフルーツは地域に開かれた小さなギャラリーを始動します。
みんなが美術を通して社会に参加していくことを応援しています。
アトリエグレープフルーツ開設記念展Vol.1
福田隼大展
2023年4月22日(土)23日(日)
12:00−17:00
※会期中ご自由にお入りいただけます。
東京都練馬区南大泉4−33−11
アトリエグレープフルーツ内
西武池袋線保谷駅南口徒歩11分
駐車場はありません。近くのコインパーキングをご利用ください。
第一回アトリエギャラリー開設記念
福田隼大君の個展によせて
隼大君がアトリエに通い始めた8年余り前の日曜日の午前クラスには偶然「電車好き」の男の子が3人集まりました。電車好きと言ってもそれぞれ違う興味とこだわりがあり、やけに地下鉄に詳しい人、全国の詳細な鉄道の路線図や漢字の駅名に興味のある人などがいて、隼大君は各私鉄の運行状態やそれぞれの車両の種類などの知識が豊富で驚かされました。
「隼大君はなんでそんなに電車に詳しいの、特別な勉強でもしているの?」と尋ねたことがありました。「ただ電車が好きだから自然におぼえてしまう」と返事があったので「電車オタクだね」と言うと、「僕はオタクと言う言葉は好きじゃないな」と応えるので「じゃあ電車マニア?」と聞くと、「それも好きじぁないな、だだの『電車好き』でいいんじゃないかな」と好きな電車の絵を描く手を休めずに軽く言われたことがありました。また、いまでも忘れられない思い出のひとつとして、いつもの「電車好き」仲間たちが雑談しているとき私が不用意に「それは普通の人じゃないね」と口を挟むと、隼大君がすかさず「先生、普通の人なんていないよ。一人ひとりみんな違うんだから、目の前に普通の人を連れて来てみて、もしそんな人いたら気持ちが悪いよ」と反論されたこともありました。その後もアトリエで描く絵の話しなど聞きながら隼大君の独自の感性に触れるエピソードは幾つもありますがここでは書き切れません。
アトリエで描いている絵は電車の絵ばかりでなく空想の世界や風景画など目の前に見えるどんなものでも画題にしてしまうほど制作意欲に満ちていています。隼大君の遠近法はその眼差しを自在に変化させて地面すれすれの位置から広々とした天空の彼方まで、自由な心で気ままに移動して遊んでいるように感じます。
隼大君の乗っている電動車椅子には素敵な翼がついているみたいだよ。これからも隼大君の感性を大切に楽しく絵を描き続けて欲しいと願っています。それは第一に隼大君の絵を楽しみにしているお母さんのために。そしてみんなのためにね。
小島顕一・記
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